『母べえ』を観て
先日、『母べえ』を観ました。山田洋次監督、吉永小百合主演の映画です。2時間12分、静かな涙が劇場のあちこちで流れていました。もちろん私も。戦時中、治安維持法で父親野上滋が特高に連れて行かれ、厳しい取調べを受けます。残された家族は支え合いながら懸命に生きていきます。獄中の父親と家族の、お互いを思いやる心のこもった手紙のやりとりと面会。しかしついに父親は獄中で死にます。やがて戦争が終わり、子どもたちは成長し、苦労の連続だった母親も年老いて死にます。その臨終の床で娘が「天国で父べえに会ってね」と言うと、母親は「死んでからなんて、父べえに会いたくない。生きているうちに会いたかった」と耳元で言うのです。最後のスクリーンには父べえの「妻に与える詩」の朗読、背後に流れるバッハのコラール「主イエス・キリストよ、我御身を呼ぶ」。観客は誰も席を立ちませんでした。
映画鑑賞後、私は野上照代氏の原作を読みました。映画とは少し違いはあるものの、やはり深い感動を覚えました。
以前、私は辻宣道牧師の『嵐の中の牧師たち』(新教出版社)を読みました。辻牧師のお父様も牧師でしたが、同様に戦時中獄死なさったのです。青森の刑務所からお父様の遺体を馬橇に乗せて弘前に帰る時の家族の様子を読んで、涙がこぼれました。止まりませんでした。人間として考える自由、信じる自由を与えない国家、家族を引き裂き、悲しみの涙を流させる国家とは何でしょうか。そこに果たして正義があるでしょうか。
この映画はたくさんのことを教えてくれます。あなたも大切な方とご一緒にご覧になってはいかがでしょうか。
先日、『母べえ』を観ました。山田洋次監督、吉永小百合主演の映画です。2時間12分、静かな涙が劇場のあちこちで流れていました。もちろん私も。戦時中、治安維持法で父親野上滋が特高に連れて行かれ、厳しい取調べを受けます。残された家族は支え合いながら懸命に生きていきます。獄中の父親と家族の、お互いを思いやる心のこもった手紙のやりとりと面会。しかしついに父親は獄中で死にます。やがて戦争が終わり、子どもたちは成長し、苦労の連続だった母親も年老いて死にます。その臨終の床で娘が「天国で父べえに会ってね」と言うと、母親は「死んでからなんて、父べえに会いたくない。生きているうちに会いたかった」と耳元で言うのです。最後のスクリーンには父べえの「妻に与える詩」の朗読、背後に流れるバッハのコラール「主イエス・キリストよ、我御身を呼ぶ」。観客は誰も席を立ちませんでした。
映画鑑賞後、私は野上照代氏の原作を読みました。映画とは少し違いはあるものの、やはり深い感動を覚えました。
以前、私は辻宣道牧師の『嵐の中の牧師たち』(新教出版社)を読みました。辻牧師のお父様も牧師でしたが、同様に戦時中獄死なさったのです。青森の刑務所からお父様の遺体を馬橇に乗せて弘前に帰る時の家族の様子を読んで、涙がこぼれました。止まりませんでした。人間として考える自由、信じる自由を与えない国家、家族を引き裂き、悲しみの涙を流させる国家とは何でしょうか。そこに果たして正義があるでしょうか。
この映画はたくさんのことを教えてくれます。あなたも大切な方とご一緒にご覧になってはいかがでしょうか。


