父の日を前に
詩集『うちしってんねん』に谷川俊太郎氏の「おとうさん」という詩があります。それをご紹介します。
        「おとうさん」
  だれのかおもみずにおとうさんは
  まっすぐまえをみてごはんをたべている
  ごはんのゆげでめがねがくもっているので
  おとうとがそういったら
  うんとこたえてめがねをしゃつのすそでふいた
  おとうさんがなにをかんがえているのか
  わたしにはわからないけれど
  わたしのことではないとおもう
  おとうとのことでもおかあさんのことでもない
  なにをかんがえているのときけば
  べつにというにきまっている
  前におとうさんのこどものころのしゃしんをみた
  ひろいのはらのまんなかにたって
  まぶしそうにそらをみあげていた
  いまでもときどきにたようなかおをする
  おとうさんのはしがさといもをつまんだ
  くちをあけたらおくのきんばがみえた
  おとうさんずっといきていて
 しばしばお父さんは孤独です。頭の中では自分の仕事のこと、家族の健康や将来のことなど、実はいろいろ考えているのです。でも口にしないのです。心配をかけたくないからです。お父さんは優しさを表現するのが得意ではありません。さといもをつまんで食べたお父さんの口の奥に金歯が見えるように、お父さんの優しさは時々きらりと光るのです。お父さんの心は本当は優しさで満ちているのです。あなたのお父さんはきっとそんな方にちがいないと思います。
今度の「父の日」、そんなお父さんに心からの「ありがとう!」を伝えてみてはどうでしょう?
2008.06.07 Sat l 未分類 l COM(0) TB(0) l top ▲

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